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育休の期間・手当・手取り額を徹底解説【2025年改正対応】

佐藤健一 • 2026-06-21 • 監修 高橋 蓮

子どもが生まれたら、仕事を休んで育児に専念したい——でも給料や休める期間に不安になるのは当然です。2025年4月の制度改正で育休中の手取りが実質10割になるケースも出てきており、公的データに基づき期間・給付金・手続きの実態を誤解しやすい点も含めて解説します。

育休の最長期間: 原則1歳、延長で最長2歳 · 育児休業給付金の支給率: 180日目まで67%・以降50% · 2025年4月改正後の手取り割合: 手取りベースで約10割相当(社会保険料免除により) · 男性育休の取得率(2023年): 約30%(過去最高)

クイックスナップショット

1確定した事実
2不明な点
  • 「育休もらい逃げ」の法的定義はなく、統一された解釈がない
  • 男性育休義務化の罰則詳細は2025年改正後の政省令に委ねられる
  • 保育所不足の実態は地域ごとに大きく異なる
3タイムラインの兆候
  • 1991年:育児休業法制定
  • 2021年:産後パパ育休(出生時育児休業)創設
  • 2025年4月:社会保険料全額免除+出生後休業支援給付金スタート
4今後の見通し
  • 出生後休業支援給付金(給付率13%)との合算で最大28日間80%相当
  • 男性育休取得率のさらなる上昇が見込まれる
  • 保育所入所待機児童対策と併せた制度検討が継続中

6つのキーファクトを一覧にまとめました。制度の全体像を把握するのに役立ちます。

項目 内容
育休の最長期間 原則1歳、延長で最長2歳
育休開始条件 勤続1年以上、事業主への事前申出
給付金支給率(180日目まで) 賃金の67%(上限あり)
給付金支給率(181日目以降) 賃金の50%(上限あり)
2025年4月改正:社会保険料免除 健康保険・厚生年金の全額免除
男性育休取得率(2023年) 約30%

育休はどれくらいの期間取れる?

育休の原則期間と延長条件

  • 原則期間:子が1歳になるまで。父母ともに取得可能。
  • 延長条件:保育所に入所できない場合、最長2歳まで延長できる(厚生労働省 延長手続き案内)。
  • 延長には事業主への申出と保育所の不承諾通知が必要。

2年延長に必要な手続きと保育園の入所状況

延長を申請するには、保育所の入所申し込みを行った上で「不承諾通知」または「入所保留通知」を事業主に提出します。令和7年4月からは、この延長手続きの様式が変更されました(厚生労働省 延長手続き案内)。地域によって保育所不足の度合いが異なるため、延長の可否は自治体の状況に左右されます。

ここが重要

2歳までの延長が認められるのは「保育所に入れなかった」という客観的な事実がある場合のみ。単に育休を長く取りたいという理由では認められない。

つまり、延長を希望する場合は保育所の不承諾通知が必須であり、事前の準備が重要です。

育児休業給付金とは?手取りはいくら?育休前の80%になる?

育休中の手当の仕組み(雇用保険からの給付)

育児休業給付金は雇用保険から支給される公的給付です。受給には育休開始前に被保険者期間が通算1年以上あることなどが必要(契約ウォッチ 受給条件解説)。契約社員やパートでも一定条件を満たせば対象になります。

手取り額の計算方法と実際の割合(67%→50%)

  • 育休開始から180日目まで:賃金の67%(上限あり)
  • 181日目以降:賃金の50%(上限あり)
  • 育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されるため、手取りベースで約8割になる場合もある(厚生労働省 愛媛労働局PDF)。

ただし、67%・50%というのはあくまで「賃金額面」の支給率。実際の手取り額は、社会保険料免除と非課税の効果で休業前の手取りに近づきます。たとえば手取り20万円の人が育休に入った場合、180日目までは約13.4万円(67%)+社会保険料免除分で実質的な手取りは16〜17万円程度になります。

なぜ重要か

「育休中は収入が半分になる」という印象を持たれがちだが、社会保険料免除を考慮すると実際の手取り減はそこまで大きくない。制度の実態を知ることで、取得への不安が和らぐ。

このように、手取りの減少は想像よりも緩やかであり、制度の全体像を把握することが取得への心理的障壁を下げます。

育休手当が手取り10割に?2025年4月からの改正点を解説

2025年改正の概要:社会保険料免除の拡大

2025年4月1日から、育休中の健康保険料・厚生年金保険料が全額免除されます。これに加えて、新たに「出生後休業支援給付金」(給付率13%)が創設されました(厚生労働省 note 広報)。

手取り10割になる条件と注意点

  • 出生後休業支援給付金(13%)と従来の育児休業給付金(67%)を合算すると、最大28日間は賃金額面で80%相当になる(マネコミ(東京海上日動) 試算解説)。
  • さらに社会保険料全額免除を加味すると、手取りベースで休業前の約100%に達するケースがある(NECソリューションイノベータ 分析記事)。
  • ただし、この「手取り10割」が適用されるのは、出生後休業支援給付金の支給期間(最大28日間)に限られます。その後は従来どおり67%→50%の給付率に戻ります。

改正のポイントを表にまとめました。

給付の種類 支給率 支給条件
育児休業給付金(従来) 67%(180日目まで)→50%(以降) 育休取得者全般
出生時育児休業給付金(産後パパ育休) 67% 子の出生後8週間以内に4週間取得
出生後休業支援給付金(2025年新設) 13% 両親ともに14日以上の育休取得
育児時短就業給付金 10%(時短勤務時の賃金補填) 育休後時短勤務する場合
注意点

「手取り10割」という表現が独り歩きしているが、あくまで条件が揃った場合の期間限定である。長期的な家計設計は、従来の67%→50%をベースに考えるべき。

短期集中の措置: この改正により、育休取得者の手取りは一時的に増えるが、長期的には従来の給付率を前提に家計計画を立てるべきである。

育休もらい逃げとは?

「育休もらい逃げ」の定義と実際の事例

「育休もらい逃げ」とは、育休を取得した後に復職せず退職する行為を指す俗称です。現行法では直接の罰則規定はなく、違法ではありません。給付金の返還義務も基本的にはありません(ただし、事業主の就業規則に返還条項がある場合や、不正受給とみなされるケースを除く)。

実際の事例としては、SNSで「育休取ってすぐ辞めた」という投稿が拡散され、不公平感を招いています。しかし、労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査では、このようなケースがどれほどあるかの正確な統計はなく、実態は不明です。

法的な問題と社会的な不公平感

  • 法的には問題ないが、企業側の負担や同僚との公平性をめぐり議論がある。
  • 給付金の財源は雇用保険であり、労働者全体の保険料で賄われているため、一部の取得者のみが受給して辞めることへの批判がある。
  • 政府は2025年改正で出生後休業支援給付金を両親取得要件としたことで、「もらい逃げ」を抑制しようとしている(厚生労働省 note 広報)。

制度の意図はあくまで「育児と仕事の両立支援」であって、退職促進ではない。この点を誤解しないようにしたい。

育休中に働くと得する?

育休中の就労ルールと給付金への影響

  • 育休中でも一定の範囲内で就労可能。ただし、就労日数が月10日未満かつ時間が80時間未満なら減額なし。
  • 超えた場合、給付金が一部または全額支給停止になる(ジョブメドレー 就労ルール解説)。
  • 事業主の許可が必要な場合が多く、事前確認が必須。

内職・在宅ワークと就労日数の制限

在宅ワークや内職も「就労」にカウントされます。収入が給付金の計算基礎日額の一定割合を超えると減額調整が行われます。得するかどうかは、短時間・低収入の仕事であれば給付金への影響が少ないため、総収入は増える可能性があります。ただし、社会保険料免除のメリットを失わないよう、就労日数には注意が必要です。

ポイント

「得する」かどうかは、就労収入と給付金減額分の差し引き次第。計算はやや複雑なので、ハローワークや社会保険労務士に相談するのが確実。

結局のところ、育休中の就労は慎重な計画が必要であり、単純に「得」とは言えない面があります。

パパ育休はとったほうが良いですか?

男性育休のメリットと企業側の対応

  • 男性育休は法律で取得が認められており、企業は拒否できない(育児・介護休業法第5条)。
  • 育児参加による家族関係の向上効果が報告されている(労働政策研究・研修機構(JILPT) 調査結果)。
  • 2021年には産後パパ育休(出生時育児休業)が創設され、子の出生後8週間以内に最長4週間取得可能。

所得保障とキャリアへの影響

給付金と社会保険料免除により、経済的負担は軽減されています。キャリアへの影響については、育休取得を理由とした不利益な扱いは法律で禁止されています。ただし、長期取得による人事評価への影響は企業の運用次第であり、事前に確認することが望ましいです。

「男性の育休取得率は約30%と過去最高を記録しましたが、依然として『取得したくても職場の理解が得られない』という声が根強い。制度の拡充だけでなく、職場文化の変革が急務です。」

— 社会保険労務士(実務解説)

パパ育休の取得は、経済的なメリットだけでなく、家族関係の強化にもつながるため、職場環境が整っているなら取得を検討する価値があります。

育休のメリットと注意点(比較表)

メリット

  • 育児に専念できる期間が確保される
  • 社会保険料免除により手取りの減少が抑えられる
  • 2025年改正で出生後休業支援給付金が新設され、収入面の手厚さが増した
  • 男性の育児参加が促進され、家族の絆が深まる

注意点

  • 給付金には上限があり、高所得者ほど実質的な給付率は低下する
  • 「手取り10割」は最大28日間の限定条件
  • 育休後の復職が前提であり、退職すると「もらい逃げ」と批判される可能性
  • 就労ルールを誤ると給付金が減額される

このように、育休には多くのメリットがある一方で、長期的な視点での注意点も存在します。

育休の取得手順

  1. 事前確認:勤続年数・雇用保険の被保険者期間を確認。契約社員やパートも条件を満たせば対象。
  2. 事業主への申出:原則として育休開始予定日の1ヶ月前までに書面で申し出る。
  3. 必要書類の準備:育児休業給付金の申請には、事業主が作成する「育児休業給付金支給申請書」と本人の「賃金証明書」などが必要。
  4. ハローワークへ申請:書類を事業主経由でハローワークに提出。出生後休業支援給付金の場合は追加書類が必要。
  5. 受給開始:原則として2ヶ月に1回の振込。社会保険料免除は事業主が手続きを行う。

手順は比較的シンプルですが、書類の準備や期限に注意が必要です。

育休制度の変遷(タイムライン)

  • 1991年:育児休業法(育児・介護休業法の前身)制定
  • 2017年:男性育休の取得促進策開始
  • 2021年:産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
  • 2025年4月:育休中の社会保険料が全額免除に。出生後休業支援給付金スタート。
  • 2025年4月(予定):男性育休の取得率目標などの制度改正

この変遷から、制度が段階的に拡充されてきたことがわかります。

確定している事実と不明な点

確定している事実

  • 育休の原則期間は子が1歳になるまで(育児・介護休業法第2条)
  • 育児休業給付金の支給率は67%・50%(雇用保険法第61条の7)
  • 2025年4月から育休中の社会保険料が全額免除される(年金改革法)
  • 出生後休業支援給付金は両親ともに14日以上の育休が条件(東京大樹会計 解説

不明な点

  • 「育休もらい逃げ」の法的定義はなく、統一された解釈がない
  • 男性育休取得義務化の具体的な罰則の詳細は2025年改正後の政省令で決定予定
  • 保育所不足の実態は地域ごとに大きく異なり、一律の対応は難しい

公式な情報が不足している部分については、今後の動向を注視する必要があります。

専門家・公的機関の見解

「育児休業中は社会保険料が免除される場合があり、非課税であることから、実質的な手取りは休業前賃金の8割程度になります。」

— 厚生労働省(愛媛労働局パンフレット)

「出生後休業支援給付金は、父母ともに育休を取得することを促進するための制度です。両親が協力して育児を行う社会を目指しています。」

— 厚生労働省 note(広報)

「男性の育休取得率は上昇傾向にあるが、欧州と比較するとまだ低い。職場の理解と制度の周知がさらに必要です。」

— 労働政策研究・研修機構(JILPT)調査

これらのデータから浮かび上がるのは、制度は着実に拡充されているが、実際の運用や職場環境の整備が追いついていない現実です。特に男性の取得促進には、罰則付き義務化よりも、職場の文化変革が鍵を握るでしょう。

まとめ

2025年4月の改正で育休の経済的ハードルは確かに下がりました。ただし「手取り10割」はあくまで一部期間の話であり、長期的な家計計画は従来の給付率を基準に考えるべきです。育休を取るかどうかを迷っている働く親にとって、制度の正しい理解が最善の武器になります。まずは自分の勤続年数と雇用保険の加入状況を確認し、会社の育休制度を調べるところから始めましょう。

よくある質問

育休を取るために必要な勤続年数は?

原則として育休開始時点で通算1年以上の被保険者期間が必要です。ただし、同一事業所に1年以上継続して雇用されていることが条件となる場合もあります。

育休中の住民税はどうなる?

住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、育休中でも支払いが発生します。ただし、所得が減少した場合は翌年度に減額される可能性があります。

育休中に副業はできる?

就労ルールの範囲内であれば可能ですが、事業主の許可が必要です。副業収入が給付金の減額基準を超えると、給付金が一部または全額停止されます。

育休後に復職しない場合、給付金は返還必要?

原則として返還義務はありません。ただし、不正受給(給付金受給のために復職する意思がないのに虚偽の申請をした場合)は返還対象となります。就業規則に返還条項がある場合は別途確認が必要です。

パパ育休は何日から取れる?

産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に最長4週間取得できます。分割して取得することも可能です(2回まで)。

育休の申請方法と必要書類は?

事業主に育休申出書を提出し、ハローワークに育児休業給付金支給申請書を提出します。出生後休業支援給付金の場合、両親の育休取得証明書が必要です。

育休中に健康保険はどうなる?

健康保険の被保険者資格は継続します。社会保険料は免除されますが、保険給付(医療費、出産育児一時金など)は通常通り受けられます。

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育休の期間や手当の詳細については、こちらの記事でバイト・副業ルールや男性育休の最新情報も含めて解説しています。育休の期間や手当の詳細

佐藤健一

筆者情報

佐藤健一

山田太郎は東京デジタルニュースの記者です。テクノロジーとビジネスに関する記事を専門に執筆しています。彼の目標は、読者に最新の情報を提供することです。